知的財産管理技能士は、企業の利益を最大化するキーマン。

■知的財産管理技能士と検定試験。

知的財産管理技能士とは企業や団体に属して知的財産を適正に管理・運用し、その企業や団体の利益に則した活動ができる能力を備えた人材のことです。

近年になって“国益”という言葉が政治の世界でもよく発言されるようになりましたが、国の代表である国会議員が国益を第一に考えて政策を策定するのと同様に、知的財産管理技能士は、自分が属する企業、会社、団体、組織の利益が最大化するように知的財産の管理・運用を図らなければならないのです。

知的財産管理技能士として活躍するには、知的財産管理技能検定を受検する必要があります。

■知的財産管理技能検定に合格したら。

知的財産管理技能検定に合格した技能士が活躍する舞台は、企業や組織の一員としてということになります。

企業や団体が知的財産の権利を取得した場合には、その所属企業の重要な会社財産(経営資源)となります。

逆に、企業や団体が他人の権利を侵害してしまった場合には、その企業や団体は法律にしたがって賠償金を支払わなければなりません。

または、その事業の運営停止を訴えられ、抗争に発展した場合にはさまざまなメディアに取り上げられることによって、企業イメージが著しく損なわれるケースもあります。

会社の信用が毀損されれば、最悪の場合、商品販売や事業展開の見通しがたなくなり、廃業・倒産といった事態に追い込まれることもあります。

そうでなくても訴えに応えるために巨額の出費を余儀なくされたり、長引く法廷闘争によって企業や会社そのものの存続が危うくなったりする場合があります。

こうしたトラブルを未然に防ぐための方策を法律の上から適正に見定め、実効性のある手段を行使していくのが知的財産管理技能士の役目です。

■知的財産管理技能士の重要性と存在価値。

知的財産管理に絡むトラブルは、会社組織であれば営業部門から火の手が上がったり、開発部門やクリエイターが活躍する部門から発生したりします。

悪意はなく侵害する意図などがなくても、知らないあいだに他人や他社の著作物を流用してしまうこともよくあります。

ことに現代においは日本企業の海外進出や現地法人の設立、工場の海外移転、外国企業と提携した製品やサービスの分業体制が活発に行われている結果、1つの製品やサービスのどこに知的財産権があるのか曖昧になっているケースが少なくありません。

知的財産管理技能士にとって、ひと昔前とは比較にならないほど多忙を究める複雑化した環境にありますが、それであるが故に知的財産管理技能士の存在意義が大きくなっているとも言えます。

知的財産管理技能検定の受験者は、この5年間で前年比10%以上の増加をみせているとのデータがあるといいます。

いまや知的財産を管理し、企業の利益を最大化できる有能な人材は、引く手あまたといっても過言ではないでしょう。

多くの場合、知的財産部といった専門部署やプロジェクトチームの結成などにて、知的財産管理技能士をリーダーとした対応組織が運営されています。

■知的財産管理技能検定の概略。

1級の特許専門業務は、知的財産分野の中でもとくに特許に関する専門的な能力があると認められたもので、同様に1級のコンテンツ専門業務はコンテンツに関する専門的な能力があると認められたもの、1級ブランド専門業務はブランドに関する専門的な能力が認められたものです。

また2級とは、特許、商標、著作権など知的財産分野全般について、基本的な管理能力があると認められたクラスで、3級とは知的財産分野について初歩的なレベルではあるけれどもある程度の管理能力はあると認められたクラスです。

知的財産管理技能検定試験は「知的財産管理」職種に関わる国家試験で難易度によって、上記のように1級、2級、3級の3つの等級に区分されています。

合格ラインはそれぞれ80%以上の回答率。

試験は学科試験と実技試験の2つが行われ、両方の試験に合格する必要があります。

学科か実技のどちらか一方が合格した場合、次回からは不合格となった試験のみを受検し、これに合格することで晴れて知的財産管理技能士になることができます。

ただし一部合格には有効期限がありますので注意しましょう。